ある日の会話……エピソード2

ワン、ツー、スリー、フォー…

ジュネス、何をしている。

何って… レッスンですよ。

その様なキテレツな格好をして、レッスンとは…

これはレオタードです。
実は… 先日、ある劇団の話を聞いて、是非入団したいと思ってるんです。

入団? 劇団? お前は一体何になろうというのだ。

何になるとかではなく、
しいて言えば仲間と一つ目標を目指して青春したいといったところですかね。

仲間… それは大切だ! 私にもかつてたくさんの仲間がいた…
瞳を閉じれば… あの顔… この顔…

ワン、ツー、スリー、フォー

こら!! 私が感傷に浸っているというのに。

伯爵の昔話なんて興味ありませんし、そんな昔のことより

今でしょ!!

それを覚えたんで使いたいんですね… いいですから、もう構わないで下さい。

いや、お前と私の仲だ。 協力してやろう。

本当ですか…? それじゃ… あたし、がんばります!

ど、どうした!? その気味の悪い女言葉は!!

どうもしませんわ。 オホホホホ…

ついに気が変になりおったか…

違います!! その劇団は女性しか入れないので、一応女性として生きる事から始めようかと。

ん… ジュネス…

やはり… 無理ですかね…

…いや! 成せば成る! よし!! 私もとことん協力してやろう!

伯爵!

今日からお前はジュネ子だ! そして私は伯爵夫人となろう… だわよ。

だわよ!?

つまり、ワタクシも女性として生きてあげるのだわよ。

ゲッ!! 思った以上に気持ち悪い…

さぁグズグズしているヒマはないざます! あの月に向かって走るのだわよ!!

普通は夕陽ですけどね。

夕陽はちょっと厳しい… どすえ。

どすえって… もう結構です!! 女性だけの劇団はあきらめますー!
ジュネスは走り去っていった。

ジュ、ジュネ子ー!! お待ちー!!
女性の様な… 気味の悪い感じになった伯爵はまたしても取り残されるのであった…。